外壁塗装で「下塗り」が必要な理由

お庭の手入れをしていると、外壁や門の汚れに気づいてホームセンターでペンキを買って自分で塗ってしまおう!と思う方が多いようです。しかし、ホームセンターのペンキと外壁塗装専門の塗料とは全く異なります。確かにホームセンターのペンキでも色がついて綺麗になりますが塗装工程を間違えると、外壁を痛めてしまう原因にもなります。


ホームセンターのペンキと外壁塗装専門の塗料の違いとは?


ホームセンターに売っているペンキを日曜大工やDIYで塗ると、確かに見栄えは良くなります。さらにもっと良くした物が、外壁塗装専門で使う塗料です。見栄えだけではなく「雨、紫外線、誇り、カビ、コケ」などの自然負荷による劣化から守る役割があります。


例えば、新築時の外壁には外気の熱や冷気をお家の中に入れないようにする「断熱機能」はありますが、雨水を防ぐ防水機能はありません。外壁は塗装をすることにより防水性能を発揮します。


外壁にシミ、ヒビ割れ、コケなどができるのは外壁の耐久性がなく劣化が進行している状態です。したがって、外壁塗装の役目は見栄えだけのものではなく耐久性をあげて劣化の進行を遅らせることができます。機能回復塗装工事が目的です。


下塗り塗装の役割と必要性


外壁塗装はこのような工程から成り立っています。


下塗り→中塗り→上塗り


各工程の違いや性能については次の通りです。


1.下塗り


下塗りは外壁塗装の工程の中でも最も重要な塗装作業です。下塗りは中塗り・上塗りとは塗料成分がまったく違います。下塗りには次の効果や役割があります。


・外壁と塗料の接着力を高める


下塗りはコンクリート、サイデイングボード、モルタルなどの外壁材と中塗り、上塗りの接着力を高めるために必要な塗装です。また、接着力を高めるだけでなく中塗り、上塗りの耐久性、防水性、遮熱、断熱などの効果を高めます。


下塗りを行わないで中塗り、上塗りの塗装を行うと見た目は綺麗に仕上がりますが、耐久性がないため10年も持たず1年2年で塗膜が剥がれてしまいます。


下塗りは必要不可欠です。


2.中塗りと上塗りのトップコート


・中塗りは塗膜の厚みを増し、強度を高める。

・上塗りの性能を発揮させる。


中塗りは下塗りと上塗りの間におこなう工程です。

中塗りで塗膜の厚みをだす事により、上塗りの定着が良くなります。

色ムラをカバーし、上塗りの発色がよくなるため中塗りは大事な工程です。


上塗りは基本的には同じ塗料、同じ色で行います。

「上塗り2回目」と表現されることもありますが同じ意味です。

上塗りを行うことで、仕上がりが良くなりとても綺麗な発色をします。


また、中塗りと同じ塗料を使うことにより「防水性、耐久性」は高まります。


3.外壁下塗り塗料の種類


外壁塗装で使われている下塗りの種類と役割についてお話をします。


「フィーラー」「シーラー」「プライマー」主にこの3種類です。


フィーラー


外壁塗装の下塗り材として使われるフィーラーは、外壁材の下地にある凸凹を埋めて平らにします。その為中塗りの塗料を定着させたりする効果があります。


フィーラーの主な特徴は次の通りです。


・フィーラーは「filler(埋める物)」が語源んです。外壁や塗装する対象物の欠損部分を埋めて下地調整をします。


・フィーラーはシーラーよりも粘度が高く、塗膜の厚みが出せます。


・フィーラーは基本的はモルタル外壁に使用することが多いです。


シーラー


シーラーはモルタル、サイデイングボードの下地によく浸透します。その為中塗り、上塗りの浸透を防止して色むらを防ぐことができます。


・外壁材に「ヒビ、シミ、こけ」が酷い場合にはシーラーを塗ります。浸透性が高いのでフィーラーのさらに下に下塗りとして使われる場合もあります。浸透性が高いので外壁内部から「ヒビ、シミ、こけ」を抑えます。


プライマー


プライマーはシーラーと機能性は同じで浸透性が高いのです。


・1液タイプ2液タイプがあります。水性、油性タイプがあるので対象物が決まっている場合は専門家に相談するのがいいでしょう。


4.外壁塗装を成功させるコツや業者について


まずは、見積書をチェックしましょう!見積書は業者を見抜く一つの方法です。


例えば、信頼性の高い業者は「塗料の種類、工程、工事費の内訳」などが細かく記載されています。


5.信頼性の低い業者は見積書を見ると分かります


・例えば、数量を全て「一式」にしている見積書はNGです。

外壁塗装は基本的に窓以外の塗る面積を平米で計算して塗装面積をだします。なぜなら、塗装面積を出さないと塗装に必要な塗料の数が出せないからです。また、塗装面積が分からないと正確な料金の計算ができません。

したがって、「一式」で出している業者はお断りしましょう。


・見積書に各工程が「3工程」になっているか。

下塗り、中塗り、上塗りの3工程を確認しましょう。鉄部の場合下塗りの項目が「錆止め」と表記している事がありますが、これは鉄部の下塗りです。


6.中塗り、上塗りの色を変えてもらう


どうして色を変えてもらうのか?

それは「手抜き」を未然に防ぐためです。本来中塗り、上塗りの色は同じです、そのため中塗り、上塗りの2工程をしたのかどうかは正直、素人には判断するのは難しいです。未然に防ぐために中塗り、上塗りの色を変えると色違いなので見た目で判断できます。中塗りの色を変えたとしても規定の硬化時間を守れば、塗料の色を変えても互いの色が干渉し合う事はなく、上塗りの色が変わってしまことはありません。もし、干渉を理由に色変えを拒むようであれば「手抜き」工事をされてしまう可能性があります。注意深く監視する必要があります。


7.費用の安さで業者を選ぶと後悔します


外壁塗装を検討している方の多くは「相見積もり」をします。相見積もりは、価額、業者選びの比較をするのにとても有効な方法です。しかし、相見積もりを取りすぎて比較するのが難しくなります。


例えば、全ての業者は価額、平米数、塗料選定が異なります。

そうなると、最終判断は「価額」でしょう。確かに金額は安いに越したことはないです。

しかし、あまりにも安すぎる金額には注意が必要です。なぜなら「手抜き」作業をされてしまう可能性があります。本来なら3工程仕上げのところ2工程仕上げにされてしまう可能性があります。先ほどお話したように、価額で決めるのであれば手抜き対策として、必ず中塗りと上塗りの色を変えましょう。それで業者が拒む場合は断りましょう。


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