外壁塗装にはさまざまな施工方法がありますが、その中でも効率性と美しい仕上がりを両立できるのが「エアレス塗装」です。住宅の塗り替えにおいても、エアレス塗装はよく使われており、短期間で広い面積を塗装できるため、多くの塗装業者が採用しています。
この記事では、エアレス塗装とは何か、従来の方法との違いや特徴、メリット・デメリット、注意点について詳しくご紹介します。
1. エアレス塗装とは?
エアレス塗装とは、圧力を利用して塗料を細かく霧状にして吹き付ける塗装方法のことです。コンプレッサーなどで圧力をかけ、塗料をノズルから高圧で噴射し、塗布面に均一に塗装していきます。
1-1. 従来のスプレー塗装との違い
一般的なスプレー塗装(エアスプレー)は、空気の力で塗料を霧状にするのに対し、エアレス塗装は空気を使わず高圧の力で塗料を霧化させます。そのため、霧の粒子が粗く飛散しにくく、風の影響を受けにくいという特徴があります。
2. エアレス塗装のメリット
エアレス塗装は、特に外壁塗装において次のような多くの利点があります。
2-1. 施工スピードが速い
広い面積を一気に塗装できるため、作業時間を短縮することができます。ローラーや刷毛に比べて、塗装作業全体の効率が大幅に向上します。
2-2. 塗膜が均一に仕上がる
エアレス塗装では塗料が霧状に噴射されるため、凹凸のある壁面でもムラなく均一に塗装することができます。ローラーでは難しい細部まで、しっかりと塗布できるのが魅力です。
2-3. 飛散が少ない
エアスプレーに比べて、エアレスは塗料の飛散が少ないため、周囲への影響を最小限に抑えることができます。特に風の強い屋外での作業には適しています。
3. エアレス塗装のデメリット・注意点
一方で、エアレス塗装にはいくつかの注意点や短所もあります。
3-1. 塗料の使用量が増える
霧化した塗料が厚く塗られるため、塗料の使用量が多くなる傾向にあります。コストの面で注意が必要です。
3-2. 機械の扱いに技術が必要
エアレス塗装機は高圧で噴射するため、操作には専門的な知識や技術が求められます。設定ミスや不慣れな操作は仕上がりにムラを生む原因となります。
3-3. 養生がより重要
霧状の塗料が広範囲に広がるため、塗装しない部分への養生が非常に重要になります。不十分な養生だと、窓や周囲の植木などに塗料が付着してしまう恐れがあります。
4. エアレス塗装に適した場面
エアレス塗装は以下のようなケースに最適です。
広い外壁面の塗装:ローラーでは時間がかかる広い面積を短時間で仕上げ可能。
外壁に凹凸が多い:吹き付け塗装で凹凸の中までしっかり塗装できる。
高所や足場が必要な現場:短時間で施工できることで、安全性やコストの軽減にもつながります。
一方で、細かい部分や境目の仕上げには、ローラーや刷毛を併用することが一般的です。
5. エアレス塗装の手順
実際の施工は以下のような手順で行われます。
下地処理:高圧洗浄で汚れを落とし、ひび割れや欠損部分を補修。
養生:窓や植物、玄関など塗装しない部分をビニールなどで覆う。
下塗り:シーラーなどで密着性を高める。
中塗り・上塗り(エアレス塗装):エアレス機で塗料を吹き付け、均一に仕上げる。
点検・仕上げ:塗りムラや塗り残しがないか確認し、必要に応じてローラーで補修。
6. エアレス塗装に使用される機材
エアレス塗装に使われる主な機材には、以下のようなものがあります。
エアレススプレー機:高圧で塗料を噴出する本体機。
ガン(ノズル):塗料の噴射口で、噴射角度や粒子の細かさを調整可能。
ホース:塗料をスプレーガンに送る役割。
フィルター:塗料のゴミや異物を除去し、目詰まりを防ぐ。
適切なメンテナンスを行うことで、安定した塗装品質が維持できます。
7. まとめ
エアレス塗装は、外壁塗装において非常に効率的で仕上がりの美しい施工方法です。
メリット
高速かつ均一な塗装が可能
飛散が少なく、屋外でも使いやすい
凹凸のある面にも対応できる
デメリット
操作には熟練した技術が必要
養生や機材管理に注意が必要