建物の外壁塗装や屋根塗装を依頼する際、「塗装技能士」という資格を持つ職人が在籍している業者かどうかを確認することは、安心して施工を任せるための大きなポイントになります。塗装技能士は、国家資格のひとつであり、一定の技術や知識を持った職人であることを証明するものです。
本記事では、塗装技能士とはどのような資格なのか、取得のメリットや試験内容、資格を持つ職人に依頼するメリットについて詳しく解説します。
塗装技能士とは?
塗装技能士とは、厚生労働省が認定する「国家資格」のひとつで、塗装の技術や知識を一定以上持っていることを証明するものです。正式には「建築塗装技能士」と呼ばれ、職人のスキルに応じて以下の3つの等級に分かれています。
1級塗装技能士(実務経験7年以上、または2級取得後2年以上)
2級塗装技能士(実務経験2年以上)
3級塗装技能士(実務経験がなくても受験可能)
1級塗装技能士が最も高いレベルの資格であり、試験の内容も高度な技術と知識が求められます。
塗装技能士の試験内容
塗装技能士の資格試験は、以下の2つの試験によって構成されています。
1. 学科試験
塗装に関する基礎知識や専門知識を問う筆記試験が行われます。主な試験内容は以下の通りです。
塗装の基礎理論
塗料の種類と特性
塗装工程と施工方法
材料の選定と調合
建築基準法や安全管理に関する知識
特に、建築塗装に関する化学的な知識や法規の理解が求められるため、しっかりとした勉強が必要になります。
2. 実技試験
実際に塗装作業を行い、仕上がりの精度や施工技術を評価されます。主な試験内容は以下の通りです。
ローラー塗装、刷毛塗装の技術
下地処理(ケレン作業など)
鉄部・木部・コンクリート面の塗装
模様塗りや吹き付け塗装
指定された時間内での施工
特に1級塗装技能士の実技試験は難易度が高く、確かな技術と経験が求められます。
塗装技能士資格を持つ職人に依頼するメリット
1. 高品質な仕上がりが期待できる
塗装技能士の資格を持つ職人は、確かな技術と知識を有しており、塗装の仕上がりが均一で美しくなります。施工ムラや塗り残しが少なく、長持ちする塗装を実現できます。
2. 適切な塗料選びができる
塗料にはさまざまな種類があり、外壁や屋根の素材、環境条件によって最適な塗料が異なります。塗装技能士は、それぞれの状況に合わせた塗料を選定し、耐久性を最大限に引き出す施工を行います。
3. 適正な施工方法で長持ちする塗装
塗装の耐久性は、下地処理や塗装工程の適正な施工に大きく左右されます。経験の浅い職人による施工では、下地処理が不十分だったり、適切な塗料の厚みが確保されていなかったりすることがあります。塗装技能士であれば、規定通りの適正な施工を行い、長持ちする塗装が可能です。
4. トラブルが少ない
資格を持たない業者の中には、ずさんな施工をする業者や悪徳業者も存在します。塗装技能士の資格を持つ職人に依頼することで、手抜き工事や不適切な施工のリスクを減らし、安心して塗装工事を依頼できます。
塗装技能士の資格を持つ業者の見極め方
塗装工事を依頼する際には、以下の点をチェックすると良いでしょう。
塗装技能士の資格を持つ職人が在籍しているか確認する
施工実績が豊富な業者かどうか
見積書の内容が明確か(不明瞭な追加料金がないか)
保証制度がしっかりしているか
口コミや評判が良いか
特に、塗装技能士の資格を持つ職人が在籍しているかどうかは、施工の品質を見極める上で重要なポイントとなります。
まとめ
塗装技能士は、国家資格であり、一定以上の技術と知識を持った職人であることを証明するものです。塗装工事を依頼する際は、この資格を持つ職人がいる業者を選ぶことで、高品質な仕上がりを期待できます。